枯葉散る墓地

 彼女が死んで二回目の命日
花束はコスモスのみ
 君はコスモスが一番好きだった

 『なんでコスモスがそんなに好きなんだ?』って聞いたら
『う〜ん、なんとなく』と答えた君

 今年もコスモスだ
正直、この時期にコスモスを調達するのは骨だ

 君は何も知らずにコスモスが好きだった
それこそ、女の子らしく花言葉も知らなかった

 だから、僕が調べた
君が好きな白いコスモスの花言葉は『少女の純潔』
まさしく君にふさわしい

 君は綺麗な体のままでこの汚い世界から去って言った

 逝く時に、体に細菌や癌になっていた訳ではない
事故でその綺麗な体を傷つけていた訳でもない
俺は恋人という関係にありながら君に手を出していないからそっちの意味でも純潔だ

 驚いたよ

 まさか、隣で寝ていて僕が起きたら君は、永遠の眠りについていたんだから

 その隣には置手紙と一輪のコスモス

 『綺麗なままで』

 まるで『おやつは棚の中』みたいに軽く書かれていた





 あれから二年経って、俺の一人称も僕から俺になった

 大学も卒業して今は社会人だ

 会社内じゃあ、俺に思いを寄せている人が居るみたいだけどたぶん付き合えないだろうな
俺はまだ君を忘れられないんだから


 女々しい男だね。俺は




 「それじゃあ、そろそろ帰るよ。」

 白いコスモスの花束を置いて俺は帰っていく




 最近になって俺はこう思うようになってきた


 あの置手紙は遺書なんかじゃなくて、俺へのメッセージじゃなかったんじゃないか?って
『俺に綺麗なままで居て欲しい』
君はそう言いたかったんじゃないだろうか?って

 もちろん、これは俺の推測だ
出題者の君が居ないから答えを知る術は無い

 だから、俺は出来る限り綺麗なままで居よう
何処までいられるか解らないけど



















































































































































SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送